俺の名前は近本雪成。31歳でエンジニアをしている。子供の頃から音楽が好きだったが、父親に反対されて、高校に進学することなく家を飛び出した。フリーターとして生活しながらバンド活動をしていたが、なかなかうまくいかず、最終的に今の会社に就職することになった。

入社から10年が経ち、社長が老後を楽しみたいと言い出し、新しい社長が就任した。新しい社長、坂本社長とは初対面の時に少し話をしたが、少しだけ驚くことがあった。それは、坂本社長が「あなたはどこの大学出身なの？」と聞いてきたことだった。俺は素直に「大学には進学しませんでした。実は、高校にも進学せず家を出て、今に至ります」と答えた。

坂本社長は少し驚いた顔をしたが、すぐに顔をしかめ、「中卒ってこと？」と冷たく聞き返してきた。俺は「はい、その通りです」と答えた。

その瞬間、坂本社長は露骨にバカにするような笑みを浮かべて言った。

「嘘でしょ？中卒がどうしてこんな大きな会社にいるの？」「中卒ってアルファベットが読めるの？常識も知らないんでしょ？」と、彼女の言葉は痛烈だった。だが、俺はそれに反応せず、気にしないようにしていた。

それから、坂本社長が東大卒のエリート社員、大竹君を紹介してきた。坂本社長は大竹君に対して、「大竹君は素晴らしい人材だよ」と言い、俺を見下すような笑顔を見せながら、こう言った。

「そう、大竹君は東大出身のエリートだから、あなたとは違うわよね」大竹君は、初対面にもかかわらず、やたらと元気に挨拶をしてきた。坂本社長は嬉しそうに「中卒と東大では全然違うわよね」と笑いながら言った。そのとき、大竹君は驚いた表情を浮かべながらも、「こんな大企業に中卒がいるんですか？」と聞き返した。

坂本社長は、俺を完全にバカにし、続けて「中卒が役立つことなんてないわよ」と言った。俺はただ黙って聞いていた。しばらくして、坂本社長は、俺に「これからは大竹君が君の分もカバーするから、君はもういらないわね。早く席を立ちなさい」と命じ、俺のデスクを追い払った。彼女は勝手に俺のパソコンを操作し始め、「これからは大竹君が使うから、初期化しておいたわよ」と言い放った。

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